もう少しだけ、あなたのそばに
「な・・何?嫌な予感がするんだけど。」
「うん。私は、紅茶のパウンドケーキでいいよ。お礼は。」
「はあ~。はいはい、了解しました。おおせのままに。」
梨乃と別れて買い物を済ませて、マンションの前に着くと、不意にそのマンションを見上げる。
「はあー。」
本日、何回目のため息だろう。
「月島様」
マンションの入口で声をかけてきたのは、このマンションのドアマンである安西さん。
高級すぎるこのマンションには、入口にドアマンがいる。
「安西さん。ただいま。」
「おかえりなさいませ。たくさん買い物されましたね。お部屋までお持ちいたしますか?」
「いいえ、このくらい平気です。」
「では、エレベーターまで。」
エレベーターまで荷物をもって運んでもらい、
「ありがとうございます。」
とまた荷物を受け取り、部屋に入り重い荷物を下ろす。