もう少しだけ、あなたのそばに

「あ、あの、これ。」


「コーヒー飲みに来たんでしょ?」


「え、はい。そうですけど。じゃあ、あのお金。」


「いいよ。俺たちが引き止めちゃったからね。お詫び。」


と言って笑う倉橋さんに少しドキッてした。


「あの、でも。」


「ほら、常務が呼んでいるんでしょ。早く早く。その代わり、また、一緒に話をしようね。」


といいながら、私の背中を押す。


「はい。では、遠慮なく頂きます。お礼はまた、今度します。」


と言って私を下げて、島津さんと秋の部屋へと急いだ。




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