もう少しだけ、あなたのそばに
それからは、また午前中のように電話の対応や書類やメールにと忙しい秋の横で私は黙々と翻訳の仕事をこなした。
社内に3時の休憩のチャイムが鳴り終えた頃、私はデスクから腰を上げて、コピー機で打ち出した書類を取り、秋のデスクの前に行った。
「あの、終わりました。」
「ん?もう?早いな。」
そう言いながら私から書類を受け取ると、
「うん、確認するから、少し休憩して。」
と言われたので、そのまま自分の机に戻り、自分なりにももう一度、種類の確認をした。
それから、しばらくして、
「花憐。」
と呼ばれて、また、秋のデスクの前に。
「うん。完璧だ。仕事も早いし、丁寧だし。手直し無で明日の会議に使えそうだ。」
その言葉に私はホッとする。