もう少しだけ、あなたのそばに
「今、彼は会議中よ。」
「そうですか。ありがとうございます。」
「あなた、勘違いしないでね。」
まただ。
棘が刺さった場所がドクンドクンと痛み出す。
「今ね、私のお父様の会社と合同であるプロジェクトが進んでいるの。それが、起動に乗ったら、私たち結婚するわ。」
結婚・・・・・・・・・・・
「あら、やだ。やっぱり、彼、言ってなかったのね。
まあ、私も結婚までのお遊びは、大目に見ているから。
だから、勘違いしないでね。あなたと私は違うわ。
あなたのような遊びの女とはね。」
遊びの女・・・・・・・・・・・
その後、彼女に何を言われたかなんて記憶にない。
ただ、なんだか、すごい一人で何かを言っていたような気がする。