もう少しだけ、あなたのそばに
彼女が出ていったあとの静かになった部屋で、
「花憐様。大丈夫ですか?」
「え?・・ええ、大丈夫です。島津さんこそ、大丈夫ですか?」
「わたくしは、大丈夫でございますよ。
それより、常務からご伝言です。会議に入られましたが、こちらで少し待つようにということでしたが、いかがなされまなか?」
「・・・・あの、すみません。秋、新城さんには私から後で連絡しますので、今日は、もう、帰ります。時間も終わりの時間ですし。」
「そうですか?では、また、ぜひ、おいでください。お待ちしておりますよ。」
「いえ、今回は特別で・・・・。私がここにくることはもう・・・」
「花憐様?」
「いえ、何でもありません。では、今日は、いろいろとお世話になりました。失礼します。」
私は深々と島津さんに頭を下げて、部屋を出た。