もう少しだけ、あなたのそばに
一階に下りて、出口付近まで来たとき、
「月島さん。」
私を呼んだのは、
「倉橋さん。」
「もしかすると、そろそろ出てくるかと思って。」
そんな彼の顔を見たとたん、私の目から涙がこぼれた。
「月島さん。」
倉橋さんの声で頬に伝わる涙に気づき、手で涙を拭った。
「ごめんなさい。私・・・・・」
「とにかく、ここを離れようか。おいで。」
彼は、私の少し前を歩いていく。私は彼の後をついて行くと、大きな公園。
夕方ということもあって、人もまばらな公園のベンチに二人で腰掛けた。