もう少しだけ、あなたのそばに
謝ったけど何も答えてくれないまま、秋はリビングへと歩いて行ってしまった。
私もトボトボと後に付いていくと、リビングのソファーに座る秋。
そのオーラは怒りに満ち溢れていて、そばにより付けないほど。
兎に角、着替えをしようと自分の部屋へと足を進めようとしたら、
「どこに行く」
「あ、あの、着替えてこようと思って。」
「まだ、話は終わってない。こっち。」
自分の隣をポンポンと叩いて、座れと合図する。
仕方なく座る私に、怒りを含んだ秋の声が突き刺さる。
「なんで、勝手に帰った?」
「・・・・・・・・・・」
「花憐、答えろ。」
「・・・・・・・」
「じゃあ、質問を変える。・・・何を言われた?」
「・・何も・・・・」
「花憐、こっちを見ろ。」
それでも俯いたままでいると、私の顎に秋の手が伸びてきてクイッと上に向かされる。
秋の何かを探るような目が怖くて、目を背ける。