【短編】不器用なあたし達の愛の証
「腹減ったー」
ネクタイを緩めながらリビングに入ったと同時に大きく見開かれる、蓮の目。
「…え、マジで?」
「マジだよ」
「これ全部、お前がやったの?」
「いいから座れば?お腹空いたならご飯温めるから」
なんかもう、今さら感が恥ずかしい。
こんな装飾も、料理も、昨日見せられなかったら何の意味もない。
「…どうしよ」
「や、いいよいいよ気にしなくて。仕事忙しいのは分かってるし」