【短編】不器用なあたし達の愛の証
彼が…蓮が、こういう男だということくらい知っていた。
仕事柄、思い通りの時間に帰宅できないことも理解しているつもりだった。
けれど、今回のコレは結構ダメージが大きいかもしれない。
【帰るの朝になりそうだから、寝てろ】
謝罪の言葉くらい添えとけっつの。
しかも、安定の命令口調。
ふつふつと湧き上がってくる怒りを抑えるため、冷めたコーヒーを口に含んでソファーに寝転がった。