【短編】不器用なあたし達の愛の証
「寝ようかな、もう」
意地を張って起きていたって、現実は変わらない。
時計の針はすでに午前二時をまわっていて、道路を走る車の音も徐々に聞こえなくなってきた。
重い腰を持ち上げてリビングまで足を運び、はりきって作った料理一つ一つに丁寧にラップをかけていく。
「あたし絶対いい奥さんになるわ、これ」
強がって、強がって。
こんなに強がった先には、何があるっていうのだろう。