【短編】不器用なあたし達の愛の証
この日のために用意した女子力高めのワンピースを乱暴に脱ぎ捨ててジャージに着替え、ベッドに勢いよくダイブした。
こんなの、慣れっこなはずなのに。
今さら、なんだかすごく自分が惨めに思えてきて。
「蓮のバカ野郎」
目から溢れ出す液体の正体を、あたしは必死に知らないフリをする。
「絶対、一発殴ってやる」
三時間前にあたしが送った【了解】の二文字に対しての返信もない。
相変わらずだ、本当に。