【短編】不器用なあたし達の愛の証
「なんで、帰るの朝になるって…」
「お前、俺がどんだけ急いで仕事終わらせたと思ってんの?」
蓮の、荒い息づかい。
ここまで走ってきたの?
「お前のことだから絶対寝てねえだろうと思って、急いで帰ってきてみたら予想通りだわ」
「寝てたし、蓮のチャイムで起きたの」
まあ、バリバリ起きてましたけど。
「嘘つけ」
「本当だし」
「バーカ」
こういうところだ。
蓮のこういうところが、あたしを蓮から離れられなくする。