もう一度君にKISS
「ナツのせいであんな草むら通らせてごめんな?」
一人で葛藤している私に、彼は申し訳なさそうに言う。
「か、可愛いから許す。
それより、ナツっていうの?この子」
そう問いかけた私に、彼はうさぎの頭を撫でながら、うん、と頷く。
「あ、帰りは安心しろよ?
俺がここまで来てる道教えてやるから」
「ほんと!?」
「だって帰れないんだろ?
またあの草むら通るなんて無事に抜けられる保証ないしさ」
ははっと笑う彼。
気づけばもうあたりはオレンジ色になっていた。
「帰るか」
そう言った彼の後ろをついていく。
再度ひまわり畑に入り、ひまわりを踏んでしまわないように気をつけながら。