もう一度君にKISS
「やっぱり、おかしいよね.....」
「うん、おかしい」
笑いながらきっぱりと言われて落ち込む私。
この名前でからかわれたときのことを思い出し、更に落ち込んでいくのが分かる。
「......でもさ?」
さっきまで笑っていたのが嘘のように真剣な声に、はっと顔をあげると、彼は柔らかく微笑んだ。
「特別な感じでいいと思わない?」
「へ?」
「春のひまわり、なんてすごい特別な感じするじゃん。
本来なら夏に咲くものなのに春に咲くって、“奇跡”みたいなもんだろ?
だからさ、
今ここに“春野向日葵”が存在するのは
“奇跡”で、同じ人なんかいない、
たった一人の特別な存在だって思わない?」