【BL】秘密の生徒会長さま…の恋人!?
1時間目
授業開始のチャイムが鳴った。
俺――海藤 慎理(カイドウ シンリ)は、いつもの如く教室には顔を出さなかった。
入学してから1ヶ月……
まともに授業を受けたのは片手で数えられる程度。
だって勉強が大っ嫌いだから。
こんな天気のいい日にまで、勉強なんてやってられねーっての。
足取り軽く俺が向かっているのは、屋上。
やっぱこういう日は屋上で日向ぼっこだろ。
屋上までの階段を二段飛ばしに駆け上がる。
扉の前で立ち止まって、ズボンのポケットから針金を一本取り出す。
その針金は複雑に折り曲がっていて、この屋上の扉の鍵を開けるものだ。
これ作るのに一週間以上かかったんだよなぁ。
としみじみ思いつつ、扉の鍵穴へ差し込む。
「………あれ?」
鍵を回しても、カチッという開く音がしない。
試しにドアノブに手をかけてみた。
「あ……開いてるし」
屋上のドアは、元々開いていた。
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