【BL】秘密の生徒会長さま…の恋人!?
教室のドアを開けると、クラス中の視線が俺に集中した。
チッ……
見せもんじゃねーよ。
「あー!慎理じゃん!!」
とクラスの妙な空気など物ともせず、大声を出し、俺に近づいてくる人物。
竹原 湊(タケハラ ミナト)。
クラスで唯一、俺に話しかけてくる奴。
いわゆる不良というやつだ。
髪は栗色をしていて、大きな目が特徴。
男に使うのも変だけど、可愛いって言葉がしっくりくる容姿をしている。
「教室来るなんて珍しい!今日って雨予報だっけ?」
「うっせーよ。たまには出てやろうって思っただけだよ。」
「うっわー、超上から目線だし。」
ケラケラと湊は笑った。
俺たちのやりとりだけが教室に響く。
相変わらず……
感じの悪い奴らだな。
俺が何したってんだよ。
「次、何の授業?」
「確か数学だよ。」
「………睡眠学習決定だな。」
湊が肩を竦め、教室に数学教師が入ってきた。
俺を視界に入れた瞬間、教師の目が一瞬大きく開いた。
特別何か言うわけでもなく、ただ“席に着け”と言っただけだった。
言いたいことがあるなら、言えってんだよ。
授業はやっぱり退屈で、俺は終始爆睡していた。