【BL】秘密の生徒会長さま…の恋人!?
翌日、約束通り聖弥が家に。
家のドアを開ける前に聖弥が立ち止まった。
「今日ご両親は?」
「いねーよ。けど兄貴がいる。」
「そう。」
納得した聖弥を確認して、俺は家のドアを開けた。
「ただいまー」
家の中から返答がないのは、いつものこと。
「狭いけど、どうぞ。」
「お邪魔します。」
きちっと靴をそろえて、聖弥は家に上がった。
つくづく……
俺とは住む世界が違うんだなって思ってしまった。
リビングのドアを開けると偉そうにソファーを陣取る男。
「兄貴、ただいま。」
「おう。」
兄貴は首だけこちらに振り向かせた。
似てると言えば似てる兄弟だと思う。
「昨日言ってた友達連れてきたぜ。」
「――初めまして。」
聖弥が俺の横で綺麗にお辞儀をする。
「金森 聖弥と申します。慎理君と良くさせていただいてます。」
微笑み付きの礼儀正しすぎる挨拶に、俺も兄貴も一瞬呆けた。
兄貴が慌てて姿勢を正し、ソファーから立ち上がった。
「ご、ご丁寧にどうも。慎理の兄、海藤 慎司(カイドウ シンジ)です。いつも弟がお世話になっております。」
と、一礼。
兄貴……
こんな挨拶出来たんだな。
「聖弥、部屋いこう。二階なんだ。」
「うん。」
聖弥は兄貴に向かってもう一度礼をすると、俺の後ろを歩く。
「ここが俺の部屋。」
階段を上がって一つ目のドアを開いた。