【BL】秘密の生徒会長さま…の恋人!?
ここまで強気でいられると……
やっぱ俺がおかしいのか?
「今のキス、嫌だった?」
「ぇ?」
改めて訊かれると……
自ら唇に触れて、さっきの感触を思い出す。
「嫌、…じゃなかった。」
「そっか」
わっ………
なんて嬉しそうに笑うんだろ。
俺は何故か直視出来なくて、視線を逸らした。
「さて、そろそろ帰ろうかな。」
聖弥は立ち上がった。
「も、もう帰んのか?」
「うん。じゃないと」
俺の視線に合わせるように聖弥は屈んだ。
「本当に食べてしまいそうだから。」
笑われ、俺は何も答えられなかった。
「見送りはいらないよ。」
「え、玄関まで――」
「顔、真っ赤。お兄さんに見られちゃうよ?」
意地の悪い笑みを残して、聖弥は部屋を出ていった。
残された俺は、
「あ、ハンバーグ……」
と何とも間抜けな呟きを吐いた。