【BL】秘密の生徒会長さま…の恋人!?
3年の教室が並ぶ南校舎二階。
「…確かA組って言ってたよな。」
一番左端の教室を覗く。
あ、居た。
人がまばらになった教室に、聖弥は居た。
席に着き、何やら書き物をしている。
「――金森くん」
そんな聖弥に一人の女子生徒が声をかけた。
「ちょっといいかな?」
「なに?」
「授業で分からない所あって……教えてもらえない?」
その女子生徒に向けて、聖弥は笑った。
けど、俺と居るときの笑顔とはどこか違っていた。
「ごめん。今忙しいんだ。また、今度でもいいかな?」
「あ、うん。ごめんなさい。ありがとう」
気を悪くした様子もなく、女子生徒は離れていく。
なんか、俺と居るときの聖弥とは違う人みてーだ。
少し距離が開いた気がする。
俺は声をかけることはせず、その場を立ち去った。