【BL】秘密の生徒会長さま…の恋人!?
「あんな奴の何がいいのかねぇ。」
「だから!違うって!」
「はいはい。」
俺の言葉を軽く流す湊に詰め寄ると、
「随分、楽しそうだね。」
第三者の声がした。
見なくても分かる。
よく通る聴き心地のいい声。
教室のドアには、ほら、やっぱり。
「聖弥………」
「久しぶりだね。」
ニコッと微笑む聖弥が佇んでいた。
「あ、聖」
「――そうなんです。今超楽しんでるんで、邪魔しないでいただけますぅ?」
予想外に湊がふざけた口調で聖弥に言い放った。
「ちょっ、おま、何言って――」
「慎理、話があるんだ。一緒に来てくれる?」
いつもより強い口調で、聖弥は言った。
なんか、怒ってる?
「あのぉ、聴いてました?俺と慎理、今楽しんでるんですけど?」
「君には訊いてないよ。慎理、来てくれるよね?」
やっぱ、なんか怒ってる。
俺、なんかしたかな?
「あ、うん。悪ぃ、俺行ってくる。」
そう言うと湊は俺にだけ聞こえる声で、
「頑張りなよ。」
と言った。
何をだ?とは聞き返せず、ただ首を傾げながら、俺は聖弥の背を追った。