【BL】秘密の生徒会長さま…の恋人!?
男子生徒の瞼がゆっくりと開かれ、視線が俺を捕らえた。
髪と同じ漆黒の瞳に、吸い込まれそうになる。
「で、君は何をしようとしてたの?」
「え、いや、別に……何も。ただ、その……純粋に格好いいなって思って……」
「……格好いい?」
数秒の間があってから、いきなり男子生徒は笑い出した。
「ふっ…ふふふ、君、面白いね。」
それから立ち上がって、俺にゆっくりと近付いてくる。
そして俺の顔をのぞき込み、にっこりと笑った。
視界一杯に広がる笑顔に、心臓がドキドキと脈を打つ。
「俺ね、金森 聖弥(カナモリ セイヤ)って言うんだ。」
「金森…聖弥?」
「そう。覚えておいて。」
俺に言い聞かすように言ってから、聖弥の指先が俺の前髪に触れた。
「きれいな金髪だね。太陽みたい。」
「え、あ、どうも。」
「君の名前は?」
「海藤 慎理…」
「海藤 慎理ね。うん、覚えたよ。」
そう言うと聖弥はドアへ向かって歩き始めた。
「今日はもう行かないと。また、ゆっくり話がしたいな。」
去り際に一笑して、聖弥は屋上から居なくなった。