あなたへの手紙
知らない人ばかりの教室。私とあきのは
同じクラスになった。少し緊張が収まった。

私は窓側の後ろの席。

あきのは廊下側の一番前。

とてもじゃないけど、嫌だった。

はぁ、これが始まりかぁ。

「あの、これ…」

いきなり肩をたたかれ戸惑う私にその人は笑った。

「落としたよ。君のノートだよね?」

その笑顔に心打たれた。

背が高く、笑うとえくぼができるあなたに。


そう、これが一目惚れ。

「あ、ありがと。」

顔が真っ赤ですごい恥ずかしい。

「おい!お前、あいつが好きなの?」

「ぇ?!なにいって…って、中川か」

中川はにやにやと笑ながら
「あいつ、水木春樹ってやつだよ。サッカーが上手くて、勉強もできて」

「へー」

中川にはわるいけど聞いてなかった。

「はるき…くんね。」

その時もう私は春樹くんに夢中になっていた。
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