線香花火
そしてタンスを開けて
服を取り出す。
タンスから出したのは
白いレースのポンチョと
黄色のキャミソール、
青色のフリルのキュロット。
私はバスタオルを外して
いそいそと着替えた。
着替えて、テーブルに
置いてあった携帯と財布、
ベッドの下に掛けてあった
白いバッグを手にとって
それらをバッグに押し込んだ。
そして、何かに
弾かれたように
部屋を飛び出した。
「9時前には帰ってきなさいよ」
未だにどこか不機嫌な
母親に言われ、「わかってる」と
言い、黒いスニーカーを履いて
玄関に飛び出した。