お熱いのがお好き?
女って、しぶといんです♪
目が覚めた途端、ずきり、と猛烈な痛みが麻紀の後頭部を襲った。
(うわあ…やっちゃった……
久々に酷い二日酔いだわ…
そっか………
昨夜、カレンと飲んだんだっけ。
久しぶりにバーボンなんか飲んじゃったんだわ…)
部屋の中は薄暗いけれど、カーテンの隙間から細い光の筋が見え、朝だということが分かった。
(あれ?…ここ、どこ?)
部屋の中の様子が、何かちょっと違う気がして寝返りを打った。
一緒のベッドに寝ていたはずの次男、雄哉がいない事に気付く。
すぐ横にあるもう一台のツインベッドの寝具は、綺麗に整えられたままで、人が寝た形跡はなかった。
「う〜ん、ベイビー、どこ…?」
麻紀は、頭だけ動かして雄哉の姿を探す。
「…えっ?」
いきなり、麻紀の視界に、窓辺のソファに座る浴衣を着た男の姿が飛び込んできた。
「ええええ〜っ!」
もちろん、見知らぬ男だ。
思わず麻紀は、ベッドから跳ねるようにして上半身を起こした。
(だだ、誰!?この人?なんで、私、ここで寝てるわけ?)
両手で慌てて着衣を確認する。
ピンクのベロアのジャージ上下にはなんの乱れもなかった。
そっと、少しだけジャージのジッパーを下ろす。