お熱いのがお好き?
葉子の高笑いの後、留守録は、ぶつりと切れた……
「あれ?帰らなかったんですか?」
シャワーを浴び終え、バスローブ姿のオザキが再び麻紀の前に姿を現した。
「戻らなくていいの?
いや。こっちは特に予定ないから、別にいてくれても構わないんだけど」
髪をバスタオルでゴシゴシと拭きながら、オザキは人懐こい目で麻紀を見る。
紳士的で人の良さそうな男。
麻紀の好みの範疇でもある。
こちらこそ、ものすごく良い拾い物をしたのではないだろうか。
逃してはもったいない。
「オザキさん…」
甘えた声で呼び掛けながら、立ったまま麻紀はジャージの上着のジッパーを下げる。
「……温かいの好きですか?」
麻紀が上目遣いで言うのに、オザキはにっこり笑ってうなづく。
「…貴女とならいいですよ」
残りの1本のローションが役に立ちそうだった。
お熱いのがお好き?
【完】