お熱いのがお好き?
パート主婦との不倫がバレたら、清志の信用はガタ落ちになってしまう。
お金がない時は、ひと気のない山道に2台の車を停め、麻紀が清志の車に乗り込んで車中で○○する。
パチンコの好きな清志は、たまに大負けすることがあった。
付き合い始めた頃、1度、麻紀はホテル代を押し付けられたことがあった。
支払いの段になってから清志が、
『いけね。今日の昼、俺、パチンコでスっちまって、金なかったわ…』
といいだしたのだ。
フロントの目隠し板の向こうにいるおじさんの視線も構わず、麻紀は激怒した。
『嘘みたい!女にそんなもの払わせるなんて、どういうつもり?
パチンコで負けるお金あったら、私に貢ぎなさいよ!』
それまで、清志の前では、大人しぶりっこしていたのに、つい本性が出てしまった瞬間だった。
清志は上目遣いに麻紀を見て、
『…ごめんなさい…』
と小さな声で謝った。
縋るような可愛い目で。
清志は、気の強い女に弱かった。
麻紀は人生で初めて、女王様になったのだ。
今まで自分のことを男に尽くすタイプだと思っていたけれど、そうではないことに36歳にして気付く。