お熱いのがお好き?
気付いてはいたけれど、改めてこの人は、私のことが嫌いなんだーーー
麻紀は思う。
真和と結婚したのは、長男の竜聖がお腹に宿ったからだ。
真和とは25歳の時、合コンで知り合った。
チェーンの居酒屋で麻紀の目の前に座った1つ年上の真和は、中肉中背、取り立てて美男でもなかったけれど、5人いる男のメンバーの中では、彼が1番いいと思った。
真和はビールを飲みながら、一重まぶたの細い目で麻紀の方をちらちらと見て言った。
『俺、ぽっちゃり系大好きなんだよね。あったかい感じするじゃん。
可愛くても、痩せてる女ってだめ。』
その言葉が嬉しかった。
麻紀にとっては愛の告白にも等しい。
彼なんて久しくいなかったから、身体も寂しかった。
麻紀は酔った勢いで、真和に腕を絡め、胸を押し付ける誘惑作戦開始。
見事成功して、その日のうちに関係を持った。
妊娠が分かったのは、交際して4ヶ月ほど経ってからだ。
渋々なかんじだったけれど、真和は『結婚するよ。』と言ってくれた。
当たり前だ。
元はといえば、麻紀の身体の上で真和が、『必ず外で出すから』と言いつつ、タイミングを誤ってしまったのがいけない。