お熱いのがお好き?
落ち着こうと、麻紀は前面にどーんと大きく取られた窓ガラスから、外の景色が眺めた。
なんという山なのか、分からないけれど、北海道の緑の山並み。
手を伸ばせば手が届きそうなくらい近くに、壮大な大自然がすぐそこにある。
……落ち着く。
麻紀はゆっくり深呼吸した。
(そうだ!泳いじゃおう♪)
せっかくこんなに大きな浴槽で誰もいないんだから。
1人きりだ。
泳がないともったいない。
湯を両手でゆっくりと掻き、身体を浮かせる。
麻紀の白くて丸い尻が湯船の中にぷっかりと浮かんだ。
(気持ちいい〜……)
こんな子供みたいなことをしたのは、何年ぶりだろう。
今度は、あの端までいってみようと思った時、キィと扉が軋む音がして、誰かが大浴場に入ってきた。
(チッ…せっかく温泉独り占めだったのに)
どんな奴が入ってきたのかとドアの方を見る。
「ひぃぃっ!」
その人物を見た途端、麻紀は仰け反り、悲鳴を上げた。