お熱いのがお好き?
「あらあ!麻紀ちゃんじゃない!
偶然ねえ?
私もこのホテルだったのよ。
初めての一人旅なんだけどね〜おほほほほほほ」
なんと。
そこには元夫・真和の母、元義理の母・葉子が手ぬぐい片手に全裸で立っていた。
麻紀の秘め事を暴き、内緒にすることを条件に麻紀を家から追い出した張本人。
「いやあねえ!こんな偶然あるのね〜あははは」
麻紀の気持ちなど、知ってか知らずかご機嫌の葉子は、手ぬぐいで前を隠しながら、朗らかに笑う。
彼女の隠し切れない二の腕と下腹の贅肉がタプタプ揺れた。
ホォ……
麻紀は白けた。
そんなのミエミエなのに。
葉子は自分達のあとを付けてきたに決まっている。
しかも、麻紀ちゃんって…
ちゃん付けなんて、そんなの今までしたことないくせに。気持ち悪い。
「あら、お義母さん。お元気でしたか?」
もう義母でも何でもないが、呼び方が他にないから、そう呼ぶしかなかった。
「えぇ、元気なんてもんじゃないよ。なんせこの歳で子供3人育てているんだから。頑張るしかないのよ〜
でもねーなんだか、疲れて仕方ないのよ。この頃…」
よっこいしょ、といいながら、葉子は浴槽の淵を跨ぎ、湯に浸かる麻紀の横に並んだ。