お熱いのがお好き?
あっちの方が満たされたら、こっちの方の欲求を満たさなければならない。

忙しい。


「そろそろ出るか」


少しのぼせたのか、清志は頬の赤くなっていた。


「うん!お昼ご飯、食べよう!」


麻紀ははしゃいで言う。


二人は、このホテルに入る前に、昼飯にとコンビニで弁当を買っておいた。


「昼メシ食ったら少し寝たいな…」


清志は、ふう、と溜息を吐いた。





◇◇◇


夕食は、子供たちのリクエストで1階にある回転寿司の店で摂ることにした。


麻紀は最初、気が進まなかった。


北海道まで来て、なぜ回転寿司…と思った。

隣にあるファミリー居酒屋に行きたかった。


竜聖も梨花も雄哉も寿司が好きで、前に、麻紀が三人を中華街に連れて行った時も、目の前に並んだ中華料理の皿を目の前にして、

「お寿司が良かったなあ」

と言って、麻紀をがっくりさせた。


しかし、回転寿司は回転寿司でもさすがに北海道だった。


廻っている寿司はネタがデカイ、新鮮、種類が豊富と三拍子揃っていた。


季節の野菜の天ぷら、地鶏の唐揚げなどの揚げ物、雲丹入り茶碗蒸し、蟹と胡瓜の酢の物など、サイドメニューもものすごく充実していた。




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