お熱いのがお好き?
カレンの向かいの席に座った麻紀は、そんなことを考えながら、メニューを手に取った。
起きぬけで、急に喉が乾いてしまった。冷たいビールを、かあっと煽りたかった。
「ビール、ジョッキでね。あと、ピザとポテトフライとチーズ盛り合わせお願いね」
早速来たウェイトレスにオーダーする。
肝心なことを訊くのを忘れていた。
「カレン、あんた何歳だっけ?」
今まで『ちゃん』付けで呼んでいたけれど、いきなり呼び捨てにしてやった。
なんとなく、カレンになめられちゃいけない、と思ったからだ。
「麻紀さん!カレン、先週、二十歳(ハタチ)になったんですよ!お酒飲めるんですよ!」
カレンは、嬉しそうに両手でVサインを作り、麻紀の方へ突き出してみせた。
「へえー良かったね。お祝いにご馳走してあげる。なんでも飲みなよ。
おつまみ、あんたも好きなの頼みなよ。」
(ハタチかあ…お肌ぷるんぷるんだもんなあ。二の腕なんて、シミひとつないし、桃みたい。
つうか、あの不倫の彼氏とかいうおっさん、どうみてもアラフィフなのに、
10代の娘とエッチしてたわけ?
うわあ〜犯罪じゃーん。
金持ってるのかね〜)