愛してくれないなら、殺してほしい


「殺しなんて、出来るわけがないでしょ……」


「何故?僕が憎いでしょうに。自分勝手にあなたをこんな場所に閉じ込め、全てを奪った張本人が。法が怖いのならば心配要りませんよ。あなたにこんなことをする僕を殺しても、誰も責めやしませんから」


言って、彼の腕が伸びる。


何がしたいかなんて、もう体験済みだ。


「や、やめっ!」


だからこそ、暴れる。平手から拳、足も使って反抗するも、男に組み伏せられては無意味。


首筋を舐められた。


「っっ!」


寒気に鳥肌。生ぬるいざらつきと、湿った吐息が肌を濡らす。


「最低な人間一人殺したところで、誰も困りませんよ」


言いながら、瞼を舐められた。閉じなければ眼球に舌が這ったであろう。


瞼から下り、唇へ。歯を閉じても歯茎を貪られ、やがては口腔に舌が侵入する。


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