6→1 HEART
「あ…加菜ちゃんか
ここ、一緒に隠れても いいかな…?」
あたしは微妙な笑顔を
作りながら聞いた。
暗くて、加菜ちゃんの
顏がよく見えない。
『いいよっ!ど〜ぞ♪』
微妙に笑うあたしとは
逆にすごく笑顔で返してくれた。
「じゃ…失礼しまーす」
あたしは音を立てない
ように加菜ちゃんの隣
にそっと座った。
…………。
………………。
……………………。
座ったのはいいものの
会話がない。
何か話した方がいいよね……
でも…何話したら…
ん〜っっ。
分かんないよっ。
『あたしさ、柚夏ちゃんとしゃべってみたかったんだよね』
沈黙を破る様に加菜ちゃんが喋り始めた。
「あ…あたしもっ」
別に思ってなかったけど。
加菜ちゃんがあたしと
仲良くなりたいって
思っててくれた。って
ことだよね?
……嬉し。
……すんごい嬉しい!
それからあたし達は
かくれんぼを忘れる
かの様に笑いあった。
笑いが絶えることは
なくって。
『バカじゃーん』
「バカだもーんっ」
冗談を言いあえる位
仲良くなって。
こんな友達と話して
~楽シイ~ って思えた
ことは、あたしにとって 初めてだった。