6→1 HEART
その時だった。

ミシミシミシ……

古びた梯子を登る音がする。

……誰か来た。

あたし達は顏を見合わせて、見つからない様に息を止めた。

……コツ…コツコツ…

鬼の靴音が鳴り響く。

『いねーかなあ』
鬼の声がする。

……く…苦しい。
息の限界が……

『いねーなっ』

鬼があたし達に背を
向けて、立ち去ろうと
した時だった。


プハッ

油断して息を止めるのを止めてしまった。

……ヤバッッ!!!!!

鬼がこっちに向かって
くる。

コツコツコツコツ……
足音が早くなってるのが分かる。

『『見つけたー!』』

鬼が勝ったかの様に
うちらを見て笑った。


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