出会いは偶然じゃなくて運命
お兄ちゃんごめん!
でも、匡に怒られたくない。
夕飯の時はお兄ちゃんの目が見れなかった。
次の日、
『綾。昨日はごめん。』
「あ、匡。おはよう。ううん!私もごめんね?」
『これで仲直りなっ!じゃ、クラス行くわ。』
「うん!ばいばい!」
よかった。普通に話せた。
『おっはよー!綾。匡くんと何かあったの?』
「のんちゃん、おはよう!ちょっとね。」
『綾の顔見れば、何かあったのかわかるよ。話してみて?』
「うん…。あのね、私たち一回昨日別れたの。」
『えっ⁉なんで⁉学校で普通だったよね?』
「うん。なんか、昨日お兄ちゃんと颯太先輩と話してたのに嫉妬したみたいなんだよね。もう話さないでって言われた。でも、お兄ちゃんともダメっていうのはちょっと変だなって思ってたんだけど…匡の顔みたら吹っ飛んだ」
心配かけないように笑ってのんちゃんを見ると、悲しそうな顔をしていた。
「のんちゃん?」
『心配かけないようにって笑ってるんでしょ?綾は間違ってないよ。確かに颯太先輩と話してて嫉妬するならわかるけど、博音くんにも嫉妬してるのはおかしいよ。』
のんちゃん…
「でも、別れようって言われて、死んじゃいたいくらい悲しかったの。その後にやっぱり私だけだって言われてまた付き合ったんだけど、別れなくてよかったって思ってる。だからいいんだ。私は大丈夫だよ。のんちゃん。」
『別れようって匡くんから言ってきたのに、また付き合おうって言われたの?』
「うん。」
『…なんか私、匡くんが嫌に見えてきちゃった。』
「え、どうして?」
『綾は匡くんが好きだからなんとも思わないかもしれないけど、私は昨日みたいなことがこれからも繰り返しあると思うよ。別れても付き合う、別れても付き合うっていう関係が。』
「…でも、お互い好きならいいんじゃないかな?」
『綾がそれでいいなら私は何も言わないよ?でも、何かあったらちゃんと話してね!』
「ありがとう!のんちゃん。」
この時ののんちゃんの忠告をちゃんと聞いておけばよかったよ。