出会いは偶然じゃなくて運命


「ちょっと!匡、痛いっ!」

匡は何も言わず屋上に来た。

バンっ!

とドアを開けて屋上に出るとやっと 離してくれた。

「痛いよ。どうしたの?」

『どうしたの?じゃねーよ。昨日の今日で何してんの?』

えっ、めちゃくちゃ怒ってる。

『お前って男好きだったんだな。』

「なに…それ!先輩、匡に話してていいか聞いたら匡がいいって言ったんじゃん!それに私は男好きじゃないっ!」

バシッ

…え?何?

何が起こったの?

わかっているのは…


右頬がジンジンと痛むことだけ。

「な、なに…」


ポロポロと涙が出てきた。

『口答えしてんじゃねーよ。俺がいいって言ってもお前がダメですって言えよ。』

あなたは誰ですか?
こんなの匡じゃないよ…

何も言えない。

『…叩いて悪かったよ。でもお前が悪いんだからな。痛むか?』

そう言って右頬を撫でてきた。

そう。この優しい人が匡。

よかった。元に戻って。


…私は病気なのかもしれない。
こんなことされても優しくされたらどうでもよくなってしまうなんて。
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