出会いは偶然じゃなくて運命

一通り話して、落ち着いた私。

先輩は頷いて聞いてくれてただけだった
私はそのほうがよかった。
口出しされるより、聞いてほしかったからだ。

『匡がね。そういう奴だとは思わなかったな。』

「…。」

『好きな奴がいて、嫉妬したりするのは自然なことだけど、女に暴力するやつは真面とは思えねー。』

「…はい。」


『…でも好きなんだろ？』


「え？」


『んだよ、もう嫌いなのか？』


「好きですっ！好きだけど不安になってきちゃって…」


『クラス替わってちょっと不安定なんじゃねーの？お前の…綾の話し聞いたらさそりゃ、みんな綾の味方するわ。匡ひでーし。でも、だからこそ綾が信じてやれば？』

はっ

とした。

先輩の言うとおりだ。


私の味方はいるけど、匡の味方がいなくなったら、匡は誰に信じてもらえるんだろう。


「私、匡を信じますっ！好きだから！」

『おぉ。でも、暴力振られたり理不尽なこと言われたりしたらちゃんと話せよ。いつでも話し聞いてやるよ。励ましてもらったお返しに。あと、あの友達にも頼ることだな。…学校ではもう話しかけねーよ。そのほうがいいだろ。ま、マンションで会った時はよろしくな（笑）』

「先輩…ありがとうございます！」

『ま、もと婚約者だし？（笑）博音には言わないかは心配すんな。もう、授業終わるし、クラスに帰れよ。』

「そういえば婚約者でしたね（笑）はい！気持ちがすっきりしました！…先輩は戻らないんですか？」

『アホか。一緒に出たとこを誰かに見られてみろ。またお前がボコられるぞ』

「あっ。じゃ、先に行きます！」

『おー。じゃーな。』

私はクラスに戻った。のんちゃんにめちゃくちゃ心配されたけど、気持ちは楽だった。先輩のおかげだよね。