出会いは偶然じゃなくて運命
博音side
俺は平川博音。
今の俺の悩みって言ったら
バカ妹だな。
妹の綾は中学1年の冬らへんから彼氏ができた。
別に付き合うなとかじゃねーんだ。
……
俺が4歳、綾が3歳のときに家の近くの公園に遊びに行った。
俺は目の前の砂遊びに夢中で、綾が違うことをして遊びたかったことに気づかなかった。
つまらなくなった綾は俺から離れた所で1人で遊び始めたんだ。
小さいころから、一目おく可愛さがあった綾。
それは俺でも認めるし、そこが両親の心配する所だった。
変なやつに連れていかれたりしないかってことだ。
俺から離れて遊んでいたために、変なオヤジに目を着けられた綾は、話しかけられたんだ。
綾は覚えていないかもしれないが、俺が気づかなければ連れていかれていた。
この時から俺は、こいつは俺が守らなきゃって誓ったんだ。
お父さんにも言われた。
『お父さんは仕事で家にいないことが多い。男のお前が皆を守らなきゃいけないんだぞ。綾を守ってくれてありがとうな。これからも守るんだぞ。』
だから俺は綾が彼氏を作るなら、そいつが綾をちゃんと守れるのかを見ようと思ってた。
綾を守るのが俺じゃなくなるなら、綾を守り続けてくれるやつに彼氏になってもらいたい。