出会いは偶然じゃなくて運命
次の日、博音がいつにもまして不機嫌MAX。そして…
『はー。』
なんか落ち込んでね?
博音がため息とか。
「なんかあったん?」
『…なんもねーよ。』
聞いてもこんな調子だからわからない。
昼休み、廊下にいたら女たちに囲まれた。
あーめんどくせー。
すると、教員室から綾が出てくるのが見えた。
俺のことを見ると、先輩も大変そうですねーっていう、わかりやすい顔で見てから横を知らんぷりで通ろうとしやがった。
このやろう…
俺は綾の手を掴んで、こいつに用があると言ってその場から逃げた。
ま、用があるのは嘘じゃねーし、いいだろ?
『ちょっ!先輩!離してくださいっ!』
あ、そうだった。掴んだまま走りっぱだったわ。
いつの間にか匡も近くにいたから、綾をちょっと借りていいか一応聞いといた。後からなんか言われても困るしな。
ただ話すだけだし、すんなり許しを得た俺は綾に今日の博音のことについて聞いた。
綾も知らねーって言う。じゃあ、なんなんだ、今日の博音は。
噂をすれば博音がとぼとぼ廊下を歩いて来る。
いや、いつもスキップしてるとかじゃねーよ?
いつもとぼとぼ歩いてるけど、なんか今日は違うんだ。
綾に気がついた博音は少し驚いていた。
そして、匡を見て…
2人は睨み合ってたんだ。
…へー。なるほどね。