出会いは偶然じゃなくて運命
こんなこと言われたことなかったし。
俺はまだ綾と仲よくして良いのか?って思った。
「はっ。博音の妹に励まされたわけ?」
思わず笑ってしまった。
励まさなきゃいけないのは俺なのに。
『そうです。励ましてあげます。あと、私は博音の妹じゃなくて、綾っていうちゃんとした名前があるんですからっ!』
ちょっと怒り気味に言うこいつ。
「なんだそれ(笑)わかったわかった。じゃ、綾って呼んでやるよ。博音に怒られないかな?(笑)」
『そんな、名前呼ぶだけで怒るわけ…』
ん?
いや、おこんねーだろ。
って思って綾を見たら…
すっげー顔が真っ青だった。
「どした?顔が真っ青だぞっ⁉」
博音はそんなことで怒る奴なのか?
冗談で言ったつもりだったんだが…
『普通は怒らないですよね…』
博音は普通じゃねーのかっ⁉
あ、あり得るけどよ…
またポロポロ泣き出した綾。
こいつも忙しいやつだな。
泣くのだけは勘弁っ!
おろおろしてる俺に、綾は言った。
『先輩…聞いてくれますか?』
こいつなりの勇気のいる事なんだと思った。
「あぁ。いいよ。時間あるし。」
…俺はこいつの苦しみを知ったんだ。