出会いは偶然じゃなくて運命


先輩はお兄ちゃんに、匡のことは本当に言わないでくれてるみたいだ。

3人でエレベーターに乗ると

『綾は後から出てくればー?』

と先輩。

「え、なんでですか?」

『外に嫉妬深い奴がいたよ?』

ニヤッと笑う先輩。

『俺は別に一緒に出て行ってやりてーけどな。その時の奴の顔が見てー。くっ』

お兄ちゃん…

それだけはやめてよ…
お願いだから…

「じゃ、後から出ます。」

『うん。縦割り一緒に頑張ろーな。ほら、博音行くぞ。』

先輩も優しくなったなー。

気を使ってくれてるんだろうけど。

お兄ちゃん達が出て、少ししてから私も外に出た。

「匡ー!おはよう!」

『おはよう。行こう』

「うん!今日は負けないからねー?」

『俺のクラスなめんなよ?』

たわいもない話で始まるこの一日が私は幸せだよ。
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