youth!!

23〜海side〜


海SIDE

テスト返却が終わり、皆浮かれている。

俺はそんな気分にも慣れなくて、一人で階段を下っていた。

昨日‥あれから考えた。

なっちゃんからメールの返事はなかった。
すごく焦った。
だって俺‥あんなそっけないメール‥

彼女置いていって
さらに彼女に気つかわせて
ほんと最悪。

なっちゃん‥ごめん。

下駄箱でくつを履き替え‥
玄関からでたその時。

「海。」
明日香が立っていた。

「明日香‥?」

「メールみた?昨日の‥」
「あー‥うん。」

「一週間で考えておいてね‥??」
「いや‥ごめん‥やっぱ俺なっちゃんを裏切るなんてできない。」
俺は昨日の晩ずっと考えていたことを口にした。

いつも笑顔で明るくて
皆の人気者で
頑張り屋さんで
俺に元気をくれる。

今会いたいのは?
一緒にいて元気になれるのは?

やっぱり頭に思い浮かぶのはなっちゃん。

「海。別に私と付き合ったって裏切ったことにはならないよ?海は今好きな人と付き合うだけ、それだけ。」
そう言って笑う明日香。

「ごめん。俺もう明日香のこと好きじゃないんだ‥昨日は、申し訳ない気持ちで‥明日香への気持ちは多分同情で‥ごめん。」

俺ははっきりそう言った。

「そういうことだから‥もう行くね。」
そう言って行こうとした時。

「海。」
急に抱きつかれた。
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