youth!!


「お姉ちゃん、ボランティアはじめて??」
小学生の1人、まだ低学年くらいの子に話しかけられる。

「あ、ううん!昔は時々きてたんだー‥君は‥えっと‥」
「大樹!」

「あ、大樹くんね。大樹くんはよくくるんだ?」
「うん!」

小さい子は嫌いじゃない。
頷く姿が可愛い。
思わず頭をなでる。

「亮太と海くんも一緒だよー!いつも一緒にゴミ拾いするのー!ね?海くん?」

前を歩いていた私と同い年くらいの男の子が振りかえる。

「わっ!!」
私は思わず大声をあげてしまう。


だって‥
その人は一昨日、私にシャーペンを届けてくれた人だったから。


急に大声をあげた私の顔を不信そうにのぞきこむ彼。
私は帽子をかぶったままうつむいてしまう‥

なんて言えばいい?
うーん‥

と、その時。
帽子をとられた。

わっ!

そして私の顔を見ていう。
「あ。シャーペンの!びっくりしたー‥」
「あはは‥」

「柳田海です。よろしくー」
そう言ってニコリと笑う。
なんか、思っていたよりふわふわしてる男の子‥

「あ、あの、私はっ」

「なっちゃんでしょ?」

「え‥あ、うん!よろしく!」
「皆なっちゃんなっちゃん言ってたから。人気者なんだ。」

「そんなっ‥もう私なんて全然‥」
急に褒められてびっくりする。


「海くーん!!早く!ゴミ拾うよー!」
向こうで亮太くんと大樹くんが手を振ってる。

「ごめーん!今行くー!ほら、なっちゃん、行こう。」
「うん。」



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