youth!!
海くんは私の頭に麦わら帽子を戻すと、走りだした。
それから、黙々と作業をすること1時間半。
12時の鐘が町にひびく。
それから私たちは拾ったゴミを一箇所に集める。
リーダーがお礼をいって皆でいっせいに頭をさげて、解散となった。
家帰ってもやることないしなぁ‥
私は海岸のはじっこまで行ってみたくなった。
おばさんたちは世間話なんかをはじめ、子供たちは海に入って遊びはじめる。
おじさんたちは集めたゴミをまたどこかへ運んでる。
ボランティアが終わった後も中々皆帰らない。
楽しそうにしている。
こういうの、この町のいいとこだよなぁ‥
私はぼーっと歩いている。
海岸の半分くらいまできて、はじはまだまだ先だったから引き返そうとした。
と、その時。
「なっちゃん!」
振り向くと、息をきらしながらたっている海くん。
「わっ、どうしたの‥そんなに走って。」
「あの‥ボランティアのリーダー、わかるかな。」
「うん。しきってた人だよね?」
「その人が差し入れ持ってきてくれて‥ボランティアしてくれた人全員に渡してて‥それで‥」
「わざわざ持ってきてくれたの??」
「なっちゃんが歩いてくの見えたから‥」
かれこれ15分は歩いただろうか‥
「そんなっ、よかったのに‥」
「でももうここまできちゃったから。」
そういって私に差し入れの炭酸飲料をわたす。