youth!!
「皆さー、昔やってた海岸の夏祭り、覚えてる?」
地元出身者がほとんどのうちのクラス。
皆頷く。
「あれすごい楽しかったよねー」
「懐かしいねー」
最初は集まってきた数人だったが、そのうちクラスの皆がこっちを向いて聞いてくれている。
「私たち、それを復活させようと思って!!」
椅子の上に飛びのる美保。
皆からおぉーという声があがる。
「夏休みの思いでと言えばお祭りに花火大会!大人たちの勝手な都合で私たちのかけがえのない青春が奪いとられていいの?高校最後の夏に思いでをつくらなくていつつくるの?」
「「今でしょ!」」
さすが女子校。
安定のノリの良さ。
ってか、美保‥選挙の演説みたいになってんだけど‥
「というわけで私たちはお祭りと花火大会を皆のもとに取り戻します!」
「「おぉー!」」
「よっ!美保ちゃん」
「頑張れ」
美保が椅子から飛び降りる。
私は美保に向かって言う。
「バカ。皆の前で宣言しちゃって、もう後戻りできないよ?」
「もちろん。」
「もうやるしかないね!!」
るりちゃんはなんだかキラキラしてる。
「はぁー‥わかった!よし、皆、頑張ろう!」
こうして私たちの最後の夏がはじまった。