youth!!


階段を駆け上がって息をきらしていると、後ろから美保とるりちゃんもやってくる。

「美保は笑いすぎ。」
美保はまだくすくすと笑っている。

私たちはそれがおさまるのを待つ。
「落ち着いた?正気取り戻してよね、大丈夫?」

「あー、うん、なんとか‥ははっ‥」

あーもうダメだ。
美保は昔から一度ツボにはいると中々抜け出せないタイプだ。
こいつは無視。

私は生徒会室というプレートがかかった教室のドアをノックする。

中からメガネの地味な女の人がでてきて言う。
「ようこそ、県立見晴ヶ岡へ。」

「こんにちは。見晴ヶ岡女子のものです。」
「本日はどういったご用件で?」

私たちはお祭りボランティアの参加者募集の協力の件をできるだけ丁寧な言葉使いで相手の機嫌を伺いながら話した。

「あの、失礼ですけど今高校何年生ですか?」
急にメガネの女子に尋ねられる。

「え?高3ですけど‥」

すると奥にいた化粧の濃い女子が笑いながら言う。
「こんな受験で大変な時期に随分と暇なんですね。」

カチン。
やっぱこの人たちは苦手だ。

「いえ、そんなに大変でもないですよ。私たちは勉強と学校生活とをメリハリをつけて要領よく充実した日々を送っているもんで。」
美保が言い返す。


「まぁどんなに充実していても勉強ができなきゃねぇ‥」
そう言って化粧が濃い女子とメガネ女子はくすくすと笑う。

我慢我慢‥

とその時。
「見晴ヶ岡女子の方ですか?どうしたんですか?」
突然後ろから聞こえる声。

私たち皆が振り向く。

そこにはおしゃれなふちのメガネをかけた見るからにインテリな感じの男の子がたっていた。

「生徒会長の鈴木です。あなたたちは?」

私たちは自己紹介からはいり、さっきと同じこと繰り返し話した。

「うーん‥そうですか‥」
「はい、ぜひ!協力お願いします!」

するとさっきのメガネ女子と化粧の濃い女子が口をだしてくる。
「先輩!そんなことしたら勉強の妨げになりますよ??」
「こんな人たちと一緒になっていいんですか?」


どこまでも私たちのことが気にいらないらしい。
美保は爆発寸前なのがひしひしと伝わってくる。



< 34 / 135 >

この作品をシェア

pagetop