youth!!
「こないだ‥なんで俺から逃げたの?」
「なんでって‥」
口ごもる私。
「俺のこと嫌い?」
私は首をぶんぶん横にふる。
「嫌いじゃないよ!」
「それなら‥ああいうこともうしないで。俺すごく焦ったし落ち込んだんだから‥」
「ごめん。」
「約束だよ。」
「うん。」
後ろで美保とるりちゃんが
きゃーっ
とか
ひゅーっ
とか言ってるのがきこえる。
私は恥ずかしくなってそのまま歩きだそうとした。
その時、腕をつかまれて海くんに引き寄せられた。
それから耳元で囁かれる。
「今日の夜、図書館で待ってる。」
私はそれにコクリと頷くと、
まだ後ろでキャーキャー言ってる2人をおいて歩いていく。
私、海くんに話さなきゃいけないことがたくさんある。
それから、ちゃんと言おう。
好きだ、って。
もう釣り合わないとかそういうのも気にしないし、
海くんが私のこと大切に思ってくれていることはわかった。
それが友達としてでもそれだけでもう十分。
だから、今なら、
好きって言葉もちゃんと言えると思う。
私はその日、そのまますぐ家に帰って図書館に向かった。