youth!!


坂道をくだり終わる。
ほんとはここでバイバイだけど‥

海くんのことだから送ってくれるんだろうなぁ‥

せっかくだもん。
甘えてしまおう。


私は頭をなでられるだけでドキドキしてた。

「海くんって、なんかさ‥」

「なに?」

「女の子の扱い慣れてるっていうか丁寧っていうか‥紳士的だよねー。」

「なんだよそれー。」
そう言って苦笑する海くん。

「いや、素敵だなぁって‥あのさ、前の彼女さんってどんな人?」

「唐突だなぁ‥そういう話して大丈夫なの?」
「うん。海くんのこと知りたいもん。」


「前の子はね‥高1の時に付き合いはじめたんだけど‥なんていうか、なっちゃんとは違う感じの子。」
「そうなの?」

「うん。どっちかって言うと大人しくて、最初は全然喋らなくて、あんまり笑わない人っていうか‥なっちゃんは声だしてくすくす笑うじゃん?しかもくだらないことで。」
いたずらっぽくそう言って笑う海くん。

「ふふっ。たしかにそうかも。」

「前の彼女は、笑うんだけど、なっちゃんとは違って微笑む程度っていうのかなー‥声だして笑ってるの見たことなかったかも。」
遠い空をみる海くん。
なんで別れちゃったんだろう‥
それを聞くのは、さすがにまずいよね。


「そうなんだー‥」

海くんのことを知りたい。
知りたい気持ちが溢れ出してきて困っちゃう。




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