youth!!
待ち合わせ場所の坂の上の図書館前。
雪村さんはそこで待っていた。
「あの!こんにちは。」
「こんにちは。雪村明日香です。」
「あっ、私は‥」
「なっちゃんでしょ?」
そう言ってちょっと微笑む彼女。
いつの日か海くんに言われた言葉と重なる。
はじめて海のボランティアで海くんに会った時だっけか‥
「あ!はい、夏海です。」
「話‥どこでしよっか?」
「あの‥図書館のテラスは‥」
「テラスなんてあるの?」
少し驚く雪村さん。
「うん。いい眺めですよ!」
私が笑ってそう言うと、彼女は笑って頷いてくれる。
私はとりあえず彼女をテラスに連れ出した。
「あの‥なんで私のこと知ってたんですか?」
まず気になることを聞いてみた。
「海はモテるから。夏海ちゃんと付き合ってすぐ学校中の噂だったよ?校内の子からの告白全部断ってたのに女子校の子と付き合いだしたって‥それに私たまたま聞いちゃったの。海が友達にあなたのこと話してるの。なっちゃんって言ってたから‥」
「あ‥そっか‥雪村さんも高3だよね?」
「うん。」