youth!!
19
私が口を開いた、その時。
ブー、ブー、
ケータイのバイブの音。
海くんのケータイだ。
「あ、海くん。ケータイ鳴ってるよ?」
「いいよ。大丈夫。」
「私に気つかわないで大丈夫だよ。ケータイでて?」
「‥わかった。ちょっと待ってて。」
そういって海くんはケータイにでた。
「もしもし?あー、水野?どうしたの?‥うん‥うん‥‥え?明日香が!?」
"明日香"
きっと雪村さんのことだ。
私は直感でそう思う。
「でも、ごめん。俺‥今は無理だわ。」
海くんはそう言って電話を切った。
私は心配そうに海くんをみた。
「‥海くん?」
「‥明日香が‥元カノが、階段から落ちて‥そいつの一緒にいた友達に来てほしいって言われたけど、断った。」
「海くん‥‥行って。行ってあげて。」
「いや、でも‥」
「行って。私は大丈夫だから。」
この時なんでそんなことを言ったのかは私にもわからない。
多分‥この間泣いてた雪村さんに同情したのかな‥?
ほんとに海くんのことが好きなら離しちゃいけない気がするのに
そう思うのに、口からはなぜか違う言葉がでた。